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「桃子! 社長も! どこで遊んで……。ってか、社長、そのコスプレ、なんですか?」
「チナちゃん!」
扉の向こうに現れたのは桃子と同じような衣装を着た女性。
その女性に桃子が抱きつけば、彼女は桃子をぽこっと叩いた。
「チナちゃんじゃないでしょ? 今まで1ヶ月も無断欠勤して!」
「1ヶ月?」
桃子はきょとんとした表情で聞き返す。
「社長もですよ! 3ヶ月も何してたんですか!!」
時間軸がズレてる?
桃子は旧人類最後の生き残りだと聞いた。
それでずっとコールドスリープ状態で……。
桃太郎兄にしたって向こうに行ってかなりの時間が経ってるのに。
これもノズミ兄がどこか狂わせたんだろうか?
「ま、細かいことは気にするな」
ニカッと桃太郎兄が笑う。
うん、桃太郎兄はそういう人だ。
「気にしますよ! とにかくそのふざけた衣装を何とかしてください。それと……、そちらのお客様は?」
チナと言う女性がそう尋ねたのは勿論わたしとSARUとINUのことだ。
「あぁ、こんどCM作ろうと思ってな。俳優呼んだ」
「はぁ、ってかどうやって屋上に入ったんですか?」
「ん? 細かいことは気にするな。とにかく入らせてくれ」
桃太郎兄がそう言うと彼女も「そうですね、こちらへどうぞ」と私たちも案内してくれた。
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