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「ノズミ兄っ!」
その姿に、思わず飛びついてしまった。
「ノズミ兄っ、ノズミ兄ぃ!!」
「うんうん、ってKIJI? あれ? でもその姿……」
不思議そうな声が耳に聞こえたけど構わずギュッと抱きつくと、ノズミ兄の手が私の背中を優しくぽんぽんと叩いてくれた。
「大きくなったね、KIJI」
「うん」
「ってそんな場合かよっ!」
「わっ!」
感動の再会だったのに、SARUに思いっきり引っぺがされて邪魔された。
「何すんのよ!」
「こっちのセリフだ!」
「意味わかんないし!」
「あぁ!?」
「はいはい、そこまで。ノズミ、話が聞きたいな」
桃太郎兄の声にハッとしてみんながノズミ兄を見た。
いつもの格好とは違う、桃子とお揃いの衣装。
だけどその胸にはやっぱり時空石はあった。
「とりあえず座ろうか、チナちゃんこの二人にはオレンジジュース、見た目はこんなでもまだお子様なんだ」
ノズミ兄の声にチナは「畏まりました」と頭を下げて用意を。
「……俺は子供じゃねぇ」
「中身は3歳でしょ?」
「精神年齢はもっと上だ」
「僕から見たらみんな子供だよ」
その言葉にSARUですら押し黙った。
だってノズミ兄は永遠ともいえるほどの時間を生きてるのだから。
「失礼します」
チナがオレンジジュースを置いて部屋から出て行くと「さて」とノズミ兄が声を上げた。
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