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「ここに来れたということはミカエルの力かな?」
コーヒーを口にしながらの言葉にSARUが身構えるのが分かった。
「なら俺らの言いたいことは分かるな?」
低い声に「SARU!」と制したのだけどSARUはノズミ兄を鋭く睨んでる。
「うん、でもこの時空石は渡せないよ」
「だったら力ずくでっ」
「そしてこれを君たちが持ったとしてもこの地球は救えない」
「え?」
みんなが驚く中で私だけが「やっぱり!」と呟いた。
その声ににこりと笑ってくれるから確信に変わる。
「ノズミ兄は止めるつもりなんだね?」
そして、ノズミ兄は微笑んだまま頷いてくれた。
「そのためにここに来たんだ」
みんなはきょとんとしてるけど、私だけは理解できる。
「ノズミ兄は、ルシファーじゃないんだね?」
「君がラファエルじゃないようにね」
そういうことなんだ。
魂は同じでも違う個体。
性質は似ていても同じじゃない。
「そこでKIBI錠が必要になるからここに来たんだ」
「あー、それが分かんねぇ。KIBI錠は普通の滋養強壮剤だぞ?」
桃太郎兄の声にノズミ兄もこくりと頷く。
「けれどONIには毒なんだ。そしてこれを飲むことで人間は強くなる」
「でも強くなったところで……」
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