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「あの山の向こう、さらに海の向こうにはONIがいるんだ」
「おに?」
「そう、とても怖い生き物だよ」
「オオカミよりも?」
「それよりもっと狡猾で鋭い牙をもっている」
いつも笑ってるノズミ兄の顔が真剣で、怖くなってきて身体がぶるりと震えた。
そんな私を見てノズミ兄はニコリと笑ってくれた。
「大丈夫、僕が守ってあげるからね」
そう言ってノズミ兄は私をそっと抱きしめてくれた。
「だけど、最近仲間を増やしてるみたいで僕だけじゃ限界がある。だから味方を呼ぼう」
「味方?」
不思議な言葉だった。
だってこの地球上には私とノズミ兄しかいないのに。
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