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「それが桃太郎兄か」
「そう、それからは3人で暮らしてたの」
SARUと歩きながらKIJIの記憶を話した。
「で、お前本当に時空鳥の羽を――」
むしったのか?
その質問に私は首を振って答えた。
「きっとあの瞬間、七美は私が私だって気づいてなかったんだね。確かにノズミ兄に頼まれて私は時空湖に行った。けど、時空鳥は自らすすんで私に羽をくれたの」
「そう、なのか?」
不思議そうに聞くSARUに私はうなずく。
これから話すことを彼は理解出来ないかもしれない。
けれど話さないでおくことも出来ない。
「だって、私は昔あの湖の住民だったんだもの」
「え?」
驚いて足を止めるSARUに私は振り返って微笑んだ。
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