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「七美も私が一度死んで魂になって気づいたんだね、私が自分の妹だって」
「い、もうと……?」
そう、私はKIJIとして生きる前、確かにあそこに住んでいた。
「あそこはね、いろんな呼ばれ方するの。例えば時空の歪とか、黄泉の国とか、天国とか、天界とか、地獄とか」
命あるものが死ねば必ず通る場所があそこだ。
そして――。
「七美もいろんな呼ばれ方してたよ、神様、如来、恐ろしくも冷たい美しさにヘラと呼ばれることもあれば、その優しさにミカエルと呼ばれることもあったな」
「ちょ、待てよ……」
「そして私は弁天とかアフロディーテとか、ガブリエル、とか」
私の背には羽生えていた。
七色の3対の羽。
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