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「……全然っわかんねぇ」
「SARU?」
いきなりその場に座ったかと思うといきなり両手で自分の頭を掻き毟るSARU。
「お前の言ってる意味、全然っわかんねぇ! お前はKIJIだしノズミはノズミだろ!?」
……あぁ、やっぱり彼はいい。
「うん、そうだね」
そう、私は今KIJIだ。
七美に一度殺され蘇らせれて前の記憶を取り戻しただけ。
けれどこれにもきっと意味はある。
神はどこまでも慈悲深いのだから。
堕天した私にも、きっと何かが出来るはずなんだ――。
「とにかくみんなのところに戻ろう。桃を、渡さないとね」
そう言って手を差し出すと、逞しいSARUの手が掴んだ。
「もう、死ぬなよ?」
「うん」
「っつか次は絶対守るし」
「うん、お願いね」
そして私たちは歩き始めた。
みんなのところに――。
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