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DVD『マジカルガール』
この作品、スペイン映画なんですが、冒頭で流れるのは日本の歌です。何故なら、その歌を聞きながら踊っている少女が、日本のアニメの『魔法少女ユキコ』に憧れてるから。
その少女は、白血病で余命僅か。男手一つで彼女を育てている父親は、彼女の願いである『魔法少女ユキコ』の衣装を買ってやろうと考えます。だけどそれは、失業中で日々の生活もやっとの父親には手が出せない程の、高額なものでした。
その金策に走る父親が、最終的に取った行動は、赦されるものではなく……
日本なら、アニメの衣装や魔法のステッキは玩具屋さんで買えるのに、とか、母親がいたら作ってやるって考えも出来たのに、とか、色々と考えちゃいますが、残念ながら日本ではないし母親もいない。そしてこのお父さん、あと少ししか生きられない娘の為に、本物を買うと決めてしまってます(この衣装、有名デザイナーの一点物)。
しかも、お国柄なのか父親の性格なのか、その事を誰にも話さず金策しようとするから、事態は悪い方へと転がっていきます。観ててもうヒヤヒヤ。
それに巻き込まれたのが、精神面に少し問題のある一人の女性。いや、そのつもりはなくても自身が呼び寄せたのかも知れません。
でもこの女性には、彼女が守護天使と読んでる老齢の紳士がいて。
物語は少女、女性、紳士をそれぞれ主に置いた、三部で構成されています。
観終わって、少女と女性のどちらがマジカルガールだったのか、二人ともそうだったのか……そんな事を考えつつ、少女の本当の願い――父親がずっと傍にいてくれる事――に気付かなかった父親の浅はかさを責め、何とも言えない余韻に浸るのでした。
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