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「島ちゃん?こっち来て!」
懐かしい記憶。空は灰色でけして気持ちがいい天気じゃない。
だけど、そんな灰色もぶっ飛ばす声でよばれる。自然なんて関係ない、幼馴染みの志穂は、志穂だけの自然を見せてくれる。
「志穂。そんなに呼ばれるとテレる。」
「もぉ、島ちゃんほんと照れ屋だね!かわいいー」
小さい頃の女の子はなんでもかわいいーっていうんだよね、懐かしい。
「う。志穂、恥ずかしい。」
あぁ、懐かしくって胸が暖かい記憶だな。
「島ちゃん?見て__________________見えないよぉ!!見えない!見えない?島ち゛ゃ゛ん゛」
「志穂。何が見えないの?なにがいるの?」
「ヴぁぁあぁぁん?幽霊?幽霊がいるの!!見えないの?」
涙と鼻水で顔が雑巾みたく汚い志穂。小さい頃は...
「かわい...、なんでもない。志穂、幽霊がみえるの?私見えなッ....!!」いきなり一面が肌色になって理解するよりも早く頬に痛みが走る。
「かわ?かわいいって!?本心もれてるよ?昔は、かわいかったって?言いたいんでしょ??島ちゃんサイテー!!!心配してくれないの!?あたし怖いの!!!」
またこうだ。志穂に一度"昔はかわいかったって"って言って以来こうだ。
だいたい、本心が漏れるのは志穂が頭おかしいから。私は大人だからそんなに簡単にはもらさない。
あぁ。志穂なんで?自然をつくる志穂はどこ。
こんな志穂、子供みたい。大人じゃないよ。
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