0人が本棚に入れています
本棚に追加
ほんのりと冷たい水道水を飲む。胃を流れる感覚に神経がいく。
ずっと、このほんのり冷たい感覚にひたっていたい。
そうすれば、重苦しい感覚を感じなくてすむ。
そう思ってしまうのは、しょうがないこと。目を背けることは大人じゃないけど。しょうがないこと。
演技は大人な志穂の目がわたしを見つめる。自然を変える志穂の目。でも、昔とは違うおかしな目。
「志穂。私幽霊みえないよ。」
「.....嘘だ。島ちゃん、目が泳いだよ。」
おかしな目で見つめるから。そんな、充血した目でみないで。
「泳いだのは。志穂の顔が。」
「なに!また、あたしが昔と「違うよ!」」
「志穂の顔、疲れた顔してる。」
そうだ。志穂は、外に出ないで幽霊におびえて、顔は死ぬ寸前の顔してる。
わたしが、守ってあげなきゃ。大人だから。志穂は、まだ.....。
「島ちゃん...。」
「志穂の顔があまりにもつらそうで。みれられなくて。」
きっと、ここで一気に優しいことを言えば志穂は、私についてくる。
外に出れば志穂は、元気がつくはず。
幽霊だって、元気がでれば、志穂の精神が安定して見えなくなるはず。
志穂よ幽霊は、精神の乱れから来る厳格だから。きっと。元気がでれば。大丈夫!
「志穂?私あなたに元気になってほしいの。気持ちのいい空を見れば志穂少しは元気になると思って。私は、さっきいったように志穂が大切なの。元気、だしてほしい。」
志穂は、精神管理ができない幼い子。
だから、大人な私が、導いて守るの。
「島ちゃん.....!」
目に水溜まりができ、眉がうごく。
「そうだね。元気でるかも。」
「志穂。」これで、志穂は、戻っていくはず。
「でも、島ちゃん守ってね。あたしのこと。幽霊みえるんでしょ?」
「へ?」
「はっ?!みえないわけ?騙したの!?」
「ちがうよ。ただ、ただね、志穂が守ってねって言ってくれたのがうれしかったの。」私は、幽霊が見えるなんていっていない。
でも。元気がでれば、見えなくなるから大丈夫よね。
「なんだ!よかったよ!島ちゃん大好き!!」
私も、嘘つかない志穂がすきだよ。
最初のコメントを投稿しよう!