嘘っぱち

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ほんのりと冷たい水道水を飲む。胃を流れる感覚に神経がいく。 ずっと、このほんのり冷たい感覚にひたっていたい。 そうすれば、重苦しい感覚を感じなくてすむ。 そう思ってしまうのは、しょうがないこと。目を背けることは大人じゃないけど。しょうがないこと。 演技は大人な志穂の目がわたしを見つめる。自然を変える志穂の目。でも、昔とは違うおかしな目。 「志穂。私幽霊みえないよ。」 「.....嘘だ。島ちゃん、目が泳いだよ。」 おかしな目で見つめるから。そんな、充血した目でみないで。 「泳いだのは。志穂の顔が。」 「なに!また、あたしが昔と「違うよ!」」 「志穂の顔、疲れた顔してる。」 そうだ。志穂は、外に出ないで幽霊におびえて、顔は死ぬ寸前の顔してる。 わたしが、守ってあげなきゃ。大人だから。志穂は、まだ.....。 「島ちゃん...。」 「志穂の顔があまりにもつらそうで。みれられなくて。」 きっと、ここで一気に優しいことを言えば志穂は、私についてくる。 外に出れば志穂は、元気がつくはず。 幽霊だって、元気がでれば、志穂の精神が安定して見えなくなるはず。 志穂よ幽霊は、精神の乱れから来る厳格だから。きっと。元気がでれば。大丈夫! 「志穂?私あなたに元気になってほしいの。気持ちのいい空を見れば志穂少しは元気になると思って。私は、さっきいったように志穂が大切なの。元気、だしてほしい。」 志穂は、精神管理ができない幼い子。 だから、大人な私が、導いて守るの。 「島ちゃん.....!」 目に水溜まりができ、眉がうごく。 「そうだね。元気でるかも。」 「志穂。」これで、志穂は、戻っていくはず。 「でも、島ちゃん守ってね。あたしのこと。幽霊みえるんでしょ?」 「へ?」 「はっ?!みえないわけ?騙したの!?」 「ちがうよ。ただ、ただね、志穂が守ってねって言ってくれたのがうれしかったの。」私は、幽霊が見えるなんていっていない。 でも。元気がでれば、見えなくなるから大丈夫よね。 「なんだ!よかったよ!島ちゃん大好き!!」 私も、嘘つかない志穂がすきだよ。
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