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翌日の話
スナック菓子をぽいぽいと口に放り込む美紗。
ちなみにガリ勉くんの口。
「ほいひぃへふ(おいしいです)」
「それは良かったわ」
ガリ勉くんは口いっぱいのスナック菓子を咀嚼しながら感想を述べる。
揚げたポテトが噛み砕かれる音。
口の中から脳に直接響く。
美紗はご満悦といった様子で自分もスナック菓子を口にはこぶ。
「期間限定商品がすごく美味しいときって、どうしてレギュラー化しないのかしらって思うの」
「たしかに。美味しくて人気があったらレギュラー化するべきですよね。メーカーにとっても消費者にとっても、それが良いはずです」
「それな。まじそれな」
「その『それな』って返答、すごくテキトーな感じするんでやめてください」
美沙はぶーっと唇を尖らせてガリ勉くんを上目に見る。
ガリ勉くんは美沙の持ったスナック袋から1つ取り出して、美沙の唇の上に乗せる。
「口封じです」
「物理的に喋れなくするのやめて」
手を使ってひょいと拾い上げて、美沙はそれを食べる。
「ちなみに今ので最後の一枚です」
ごちそうさま、とガリ勉くんは手を合わせる。
美沙はにやりとガリ勉くんを見て笑う。
「実はもう一袋買ってあるんですー」
そう言ってカバンから同じ袋を1つ取り出した。
「太りますよ」
「うるさい。いらないの?」
「いります」
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