祝福してください

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翌日の話 「ツインテールを後ろから両手で掴んで、ハンドルみたいにする遊びが嫌い」 「どうしたんですか、急に」 美沙が、飲み干した豆乳のパックを握り潰しながら言う。 「ツインテールはそんなにぞんざいに扱っていいものではない!」 まれに見る美沙の熱量に、ガリ勉くんは正直ドン引きしている。 「どうしたんですか。なにか嫌な事でもあったんですか」 「べつに。この前、読んでたエロ漫画でね。バックで突きながら後ろからツインテールを掴んで引っ張るっていうシーンがあって……」 「ちょっと待ってください。自然な流れでエロ漫画の話題にシフトしないでください」 美沙は怪訝な表情でガリ勉くんを見つめる。 「何を言ってるの? 最初からエロ漫画の話題だったじゃない」 「最初からエロ漫画の話題だったの!?」 「そうよ。そんなことより、私はああやってツインテールを掴んで、オナホールみたいに女を扱う男が大嫌いっていう話をしましょう」 「もう僕の追いつける話題じゃなくなってきてるんですが!?」 ガリ勉くんには未体験ゾーンの話題である。 「まぁいいよ。イメージしにくいなら、ちょっと後ろから私のツインテール掴んでみて」 「え? あ、はい」 美沙は席から立ち上がってガリ勉くんに背を向ける。 そしてそのまま腰を折って屈みこむ。 言われるままにツインテールを掴むガリ勉くん。 「そう、この姿勢! この支配されてる感!」 「何かウサミミさん、ちょっと嬉しそうなんですが?」 「嬉しくなんてないわよ! ちょっと興奮してるだけよ!」 「身体は悦んでるんじゃないですか!って、何を言わせてるんですか!」 美沙は頬を赤らめて明らかに暴走している。 ついには、ぐいっとお尻をガリ勉くんの方に押し付けて。 「突いて!」とか叫びだす。 「突いて!服の上からでいいから!」 「変態だああああああああ!」 「違うの!そういうんじゃなくて、とにかく私のお尻に腰を打ちつけてほしいだけなの!」 「たすけてくれえええええええええ!」 ガリ勉くんの悲鳴と、美沙の嬌声が教室にこだましていた。  
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