祝福してください

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翌日の話 期末テストの結果が返ってきた。 見事に赤点を回避した美沙は、鼻高々でガリ勉くんのもとへ。 「どやー!」 ばんっ!と大きく隆起した胸を張って、美沙は自分の答案用紙を彼の前に突き出す。 そんなに自慢できる点数ではないのだが、それでも赤点がひとつもないのは美沙にとって快挙だ。 ガリ勉くんもそんな彼女を見て、頬杖をつきながらも笑顔を向ける。 「よくがんばりましたね」 「そりゃ、年末年始に補習だなんて嫌だからね!」 「先生もそう思って甘めに採点したんでしょうね」 「そうやって私の頑張りを認めないの良くない!」 美沙が頬を膨らませて抗議する。 どんっと彼の机の上に手をついて、身を乗り出す。 「そういうガリ勉くんの成績はどうだったのよ」 挑戦的に尋ねる彼女に、ガリ勉くんは机の上を指さす。 美沙は、自分が手をついていた下に彼の答案用紙が広がっていることに気付いた。 手をどけて、五教科七科目の成績を確認する。 だいたい八割以上の点数を採っている。 「いったいどんなカンニングをしているの。教えて?」 「言い掛かりにも程がありますよ」 呆れ顔のガリ勉くんが答える。 やれやれといった様子で広がった答案用紙をまとめて、カバンにしまう。 「だってガリ勉くん、ぜんぜん勉強している素振りなかったじゃん!」 「まぁ、今回の範囲は日々の予習と復習でだいたい理解できていたので。わざわざテスト前に集中して勉強する必要もなかったんですよ」 「不公平だ!」 「不公平って言葉をウィキペディアで調べてきたらどうですか?」 美沙はスカートのポケットからスマホを取り出して検索する。 「調べたよ!」 「そうですか。またひとつ賢くなりましたね」 「うん」 やっぱりバカのままだ。  
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