第1章

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段々、楽しくなってくる。まだ一行も書いて無いけど。  此処は。面白い所は何処だ。  独り暮らしのアパート。折角だから電気も消して、 ヘッドフォンで、臨場感を味わいながら観ている。 くくって別に、怪談が恐いと思ったりした事が無い。  でも、ホラー映画などや心霊番組に恐さを感じない。 だからオカルト的な恐怖の経験がない。ヤクザとか、 バンジージャンプなら恐いけれど。恐さの研修か。  毎晩、こうして観ている。読んでいる。晩酌の肴。  最初は、もうちょい光の玉だけとかはなぁとか。 女性っぽい幽霊って、黒髪長髪で白ワンピばっかね。 もうちょいバリエーションあってもいいよなとか。 鏡や窓に映る時は、アピールしようよ。みたいに。  少し、大雑把になってきた。飽きてきた。  毎晩、見てるんだから、偶には俺の部屋に来いよ。 但し新しい演出で……。違うな。王道な方が正解か? 奇抜すぎると、逆に気付かないよなぁ。知らないけど。  ホラーって難しいんだなぁ。怖がる楽しみ方かぁ。  やっぱり俺には無理だね。書けない書けない。 こういうのは、アレだよやっぱちゃんと研究して、 勉強して無いと無理なんだろうなぁ。ふう。 書けるわけがないんだから。あーあ。消そう消そう。  ブラウザを閉じる。でもまだ音だけが聴こえる。 「まだ、そっちにいたいの?」って言ってる。 別にいいじゃないか。此処に居ても。 誰もいないんだし。俺だって。         *  おわかり いただけた だろうか?
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