お願い?

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「柚さんが居ないのは残念だけど、我々も帰ろう」 柚が居なくなってからも宴会は続いていたが、月が真上にあがりそうになり、 坂本の一言で解散になった。 「十日以内に東京に発つ。」 「今年の年末はゆっくり出来そうもないな」 「着いたら姫に文を送るよ」 立ち上がりながら3人が言う。 「あぁ、気を付けて行くんだぞ」 「柚には伝えておきます」 共に立ち上がる一同。 土方のあと、山崎がそう言って頭を下げた。 「落ち着いたらまた会おうぜ」 「それまで散るなよ?」 「ふ、お前もな」 土方と高杉が約束を交わす。 「必要な時は呼んでください」 「新撰組が味方だと思うと、頼もしいぜよ!」 近藤と坂本の会話に 皆が「何かあれば駆けつけます!」と言った。 明るい未来を目指す同士。 その為に動く事を許された同士。 なら、いつでも力を合わせよう。 外国に張り合える国を。 この小さい国を一つにしよう。 皆で足並み揃えたら、必ず強い国になる。 柚がいた未来を、もっと素晴らしい所に。 柚が救ってくれた命で、未来に残るものを……。 それぞれ言葉に出来ない思いで、 見送り…見送られた。 その胸は未来への希望で温かかった。。
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