慌ただしい日常

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「それではこれより、教えて和泉先生の時間を始めまーす」 眼鏡のふちを上げながら和泉の授業が始まる オイルランプに火を付けてビニール袋に熱を溜め浮かせる、と言う気球のような法則を使った実験を皆楽しそうに行っている 余った時間はダンボールを使って空砲を打って遊んだ 和泉の授業は要所要所のみ黒板授業で、後は大体目で見たり実際に実験をしたり、とにかく体で覚えろな授業だ またよく出来た内容で50分みっちりと楽しく、黒板授業も少なくはないけどそれもグダグダ説明ばかりのつまらない内容じゃない 人望も厚いし顔も良いから、和泉に褒められたいのか女子は頑張って勉強をして、男子は話したり遊んだりしたいから勉強を頑張る うちのクラスは特に科学の成績がいい 「先生ーこっち来てー」 「おーう」 学校に居る間、和泉は生徒とみっちり触れ合ってる印象があるけど、きっと皆同じ事思ってんじゃないのかな? 昼休みは適当に生徒の中に入り込み飯を食べ、残った時間は体育館だったりグラウンドだったり 放課後も部活動に頻繁に顔を出して監督業をやってる 理想的な先生だなー、と思う
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