慌ただしい日常

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バタバタバタバタバタ ガチャ バタバタバタ ガチャ 「起ーきーろーーー。朝だぞーーーー」 「……」 「……」 一日が始まる。俺の朝は早い。そして慌ただしい 二つ並んだドアを開け放して叫ぶが起きない それは毎日の習慣だ 構わない 習慣だから 大変なのはここからだ 「起きろって。父さん!圭太!」 そう言ってからまずは兄貴の圭太から起こす 「圭太ーほらー顔が汚いー」 「むぁー」 俺と圭太は同じ高校だから先に起こして用意させないといけねぇ 自営業の父さんはまぁ、適当でもいいんだけど、朝起こさないと夜は遊びに行ったりして会えなかったりする だから後で起こしておく。起こさないと泣くからだ。父さんが じゃあ自発的に起きればいいのになぁと思うが、前にやんわり笑顔でその意見は無視された 寝たままの圭太を部屋から引きずって、2階に取り付けてある洗面所の前に転がしてから父さんの部屋に入る 「父さん」 「はーい。起きてるよ。もう用意出来た」 「出来てないから。出来てないから父さん。それは夢だから。凄いナチュラルに寝言を発音するのはやめて起きてよ」 「あー!」 父 さんの布団をはぐ 冬の布団をはがれるのは寒いだろうねぇ 「ヒーターつけたよ。こっちにおいで」 「あぁ……出掛けてたら急に北極に着いたからビックリしたよ…」 「コーヒー置いておくね」 「ありがとう」 そう言って父さんは震えながらベッドの足元にあるヒーターに這って行く よしよし、これで起きる
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