慌ただしい日常

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一気に誰も居なくなった教室で日誌を書き始める 遠くで部活のランニングから始める掛け声が聞こえたり、野球のバットを振る音、吹奏楽部のチューニングの音などが一辺に聞こえて心地良い 放課後の静かな教室は案外非日常なんだなー ボチボチと書き終わり、秋の終わりの段々暗くなる空を見ながらボーっとしていた    秋が一番好きだ 暑かった夏も終わって虫が静かに泣いて、少しずつ明るい時間が少なくなる頃から今の時期が一番ゆっくりした気持ちになる 残り少ない日光の中、前回自分が日直をやったところからめくって、次の日からの日誌を読む 和泉は日報に対する返事を1日もかかしていない 綺麗な字が赤い水性ペンで書かれている こうしたらいいよ、とか今日は暑かったとか、くだらない一言からきちんとした意見まで、ちゃんと日報を見た証拠なんだと思う そしてクラスの皆はやっぱり、和泉の皆への一言を見ながら自分も褒められたいんだよな 和泉を中心に、知らずにこのクラスはまとまっている 「凄いよなぁ…」 単純に そう思う 俺は何かを欠かさずやっているかと聞かれたら、やっていない
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