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「さーもうひと頑張りしよ。お前時間大丈夫?」
「今日は二人共用事でいないから。終わるまで付き合うよ」
「帰り送る」
そう言って和泉はまたホッチキスを持って、俺が溜めた冊子をバチバチと止めだした
「直、彼女いないの」
「えぇ?!」
和泉の唐突な質問に声が裏返ってしまう
「いんの?」
「…俺さぁ、最近気付いたけど、誰かを意識した事ってないんだよ」
「あの子可愛いーとか」
「思った事もなかったんだ。気付いてからは女友達も観察してみたんだけど、別に友達は友達で、変わりないし」
「…またお前貴重な奴だな」
「だって何をきっかけに好きになんの?」
「…お前スカート捲りもした事ないだろ」
「……何で皆スカートを捲りたがるんだよ…」
「や、まぁスカートの中身が知りたいだろ」
「パンツに決まってんじゃん」
「ぶは!」
和泉は腹を抱えて爆笑しだした
「俺何か変?」
「あはははは!いや、違う違う。お前大人だな」
「……意識してたのなんて和泉くらいだ」
「へ?」
「俺が今まで意識して接して来たのって、和泉くらいなんだ。このまま、俺妖精にでもなったら…!」
「あはははははは!」
「おかしかねぇよ!真剣だよ!」
「極端過ぎだろ!」
もうやめてくれ…と和泉は先生じゃない顔をして笑ってる
俺、やっぱり変なのかなー…
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