慌ただしい日常

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「よーし、終わり」 最後の冊子を留め終わり、和泉は高く伸びをした ひょろっと猫みたいだ 「助かったよ。ありがとうな」 「今日呼んだのって、これ?」 「あはは、そうそう。お前に時間があって良かったよ」 俺達の関係は、今は幼なじみと言うより先生と生徒の方がしっくり来る それは自分が避けて来たせいなんだけど、何だかそれがちょっと淋しい気もする 嫌ってたくせに図々しいの、俺 すっかり和泉に興味が湧いちまってる。他の奴等と変わんねぇや 「何か食ってく?」 「んー、学校の奴等に見付かると面倒そうだし、家帰って食うよ」 「気にしねぇでいいよ?他の生徒とも飯食うのなんて、俺はよくやってるし」 チクリ、と胸が痛んだ ん?何だ今の、何か胃が痛い 「今日は送って貰う」 「じゃーうち来るか。さとしもいるから、いいだろ?」 「うち猫がまだ赤ん坊だから、様子見てやんねぇと」 「あーそれじゃ仕方ねぇなぁ」 帰るかぁ、と和泉は身仕度を始めた モモは多分夕方一回帰った父さんがミルクをやってて、今頃は寝てる 次のミルクまで時間があるのに、詰まんねぇ嘘ついちまった 何でだか分かんねぇ
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