慌ただしい日常

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「けーた洗面所着いた」 「寒い…」 「うんうん寒いね」 目を瞑ったままの圭太の口に歯ブラシを突っ込む。暫くモグモグしてるけど、その内磨き出すだろ お、昨日染めてやった茶色は綺麗に染まってるな。よしよし ヘアミストを髪全体にプッシュして、恐ろしい程デーモン閣下な髪を一端降ろす 圭太の髪は固めの直毛で、こいつの髪はワガママ乙女のように言う事を聞かないくせに、一度寝るとなぜか必ず閣下になる ナイトハットを被せても髪に負けるのか毎日軍配は俺には上がらない 寝かせた髪をドライヤーでセットし出す頃には圭太の目も開いて歯磨き 「直ー今日あれがいい。前髪上げるの」 「いいよ」 「この前さとしのとこ泊まりに行ったら寝癖笑われた」 「はっはは!そう言えばあの時どうやって直したの?」 喋りながらも手は休めない。うん、いい仕上がり。こいつ顔がいいから本当毎朝やりがいあるわ 「シャワー借りたの。ドライヤーはさとしにして貰った」 「さとし君も圭太の閣下久しぶりに見たんじゃない?」 「優子と別れた晩だったしね…」 圭太は立って顔をバシャバシャ洗う 「またすぐ出来るさ。はい、朝ご飯行くよ!」 父さんもボチボチ起きたみたいで、皆で一階に降りて行く
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