スイもアマイも君となら(蒼&とも)

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あぁ、やってしまった。 『どうした?』 「あ・・・ごめ、」 『声がくぐもってる。もう布団の中か?』 「ん、・・・」 あぁほら。 やっぱりやってしまった。 声を聞いたら、絶対会いたくなってしまうのに。 「ごめん、もうねます」 なんだか自己嫌悪に陥って、 ため息交じりに呟く言葉。 そうすれば耳の奥にくすぐる、 『くくっ、とも』 「っ、」 『とも・・・聞こえてるだろ?』 「・・・ん」 『俺が今、どこに居るかわかるか?』 「・・・いえのなか?」 首を傾げれば。 ピンポーン、鳴ったチャイムの後に。 ガチャガチャっ、鍵の開く音。 ドアが開く音に、今度は閉じて鍵をかける音。 廊下を歩いてくる音がして、 開け放っていたベッドルームの入口に、 暗闇の中、明るい光が浮かぶ。 その音はすべて、耳から伝わるケータイの向こうからも。
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