~Bloodstones編~

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*Bloodstonesメンバー中学生編* 2番 赤城 蓮 中学2年、始業日。 席に着き、ほんの少しの違和感に。 目の前の背中を眺めてから、鞄から雑誌をとりだした。 これまで実のところ、出席番号が1番以外になった事が無く。 珍しく自分の前に人が来た事に。 中学にもなれば近隣の小学校から人が集まるんだ。 俺の前に来るやつがいる事なんて、当たり前だと考える。 ただ少し。 珍しかっただけ。 視線を落とし広げた雑誌を眺めていれば。 「あ!お前、ギター弾けんの!?」 頭上から聞こえた声に、ゆっくり顔を上げた。 「俺もギターやっててさ!その雑誌、家で熟読したぜ」 指差された勢いで、再び雑誌に視線を落とす。 「俺、相沢明広。お前、赤城蓮だろ?」 目の前の相沢は俺を見て、満面の笑顔を見せる。 人懐こい笑顔。 自分は絶対やらないその表情に、不思議とほっと息を吐いた。 「なぜ俺の事を知ってるんだ?」 「えー?だってお前有名だろ?」 「・・・は?」 「すげーかっこいい奴がいるって女子の間でキャッキャ言われてるだろ?その割に一匹狼で無表情だから近寄りがたいってさ」 「・・・」 「ま、安心しろよ!俺も同じだからさ!」 「・・・そうか、」 いつもなら、人に話しかけられるのも煩わしいと思うのに。 この、相沢明広は違って。 波長が合う。 そんな気がした。 「相沢、」 「アキでいいぞ」 「アキ、」 「おう!」 「今度ギター聴かせて」 「っ、もちろん!」
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