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「・・・へぇ!そうやって出会ったんだね!」
「懐かしいなー」
「アキくんがきっかけだ」
「あ、でもな。レンと練習始めるまでは、バンド組むのはまだ先だと思ってたんだよ」
「そうなの?」
「うん。レンがギター爪弾きながら歌を口ずさんでてさ。その声聞いて、今だって思ったんだ」
「アキが俺のところ来た時、凄い目輝かせてたよな。いい声見つけたって」
「だろ?」
目の前のメンバーが懐かしそうに目を細めて。
一時期解散寸前を食い止めた、俺たちの天使が感動して目を潤ませる。
穏やかに過ぎる時間。
「ともちゃん、そんな泣きそうだけど。ともちゃんが俺たちをつないだ時の方が感動的だからね?」
シュンが微笑んで、ともの頭を撫でるのを見ながら。
俺達5人とも、こうやって集まるタイプじゃないのになと思う。
だからこそ、解散せずにいられた事が、奇跡だと思い。
メンバーをつないだ音と、彼女の存在に。
改めて感謝しようと・・・
「レーン・・・ってなに、新曲か?」
「あぁ、今降りてきた」
「よし!がんばれ!!」
ポン、
肩を叩いて笑うこの笑顔に。
俺も顔を緩めた。
【俺たちのあの頃~Bloodstones編~】
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