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輝一には好きな子がいた。
明るく笑顔が可愛い元気な子だった。
蒼も引きずって皆と一緒に行ったカラオケ。
そこで好きな子から言われた、
「奈良君ってすっごいオンチだったんだね!」
それがぐさっと彼の心に突き刺さり、追い打ちをかけるように。
「竜君は歌が上手だね!歌うまい人って好きなんだ!」
これはマズイ、蒼が思った瞬間。
輝一は立ちあがり。
「ぼ、僕、用事思い出しちゃった」
ひきつった笑みを残して、その場を立ち去った。
ただ、その笑顔がムリしてるとわかったのは、蒼だけ。
それから輝一は学校をさぼったり、授業をさぼったりするようになる。
それは、あの子に会いたくないから。
そして……
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