悪霊の棲む屋敷

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   中に入ってみたが、やはり、何かこう、重苦しい屋敷だ。   息が詰まりそうだ、と思う。  洒脱な造りと家具で、煌びやか過ぎず、重厚過ぎず、実にいい感じなのだが、何か落ち着かない。 「気に入れば、こっちで寝泊まりしろ。  部屋はすぐに用意させる」 と言われても、 「どうですかねえ」 と腕をさするしかなかった。 「ま、あっちに居ても、夜な夜な首を絞められるので」 「まだ絞められてたのか」  物好きな、という目で衛は見る。 「いや、あの。  別に好きで絞められてるわけじゃないんですけど」 と言いかけて、その言葉を止めた。 
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