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「住んでない。
此処には居ないから」
「どうしてです?」
入院してるんだ、と言い、衛は上着をソファに投げた。
「そうなんですか」
何故入院しているのかとか訊いても悪いかと思い、訊かなかった。
だが、あのとき、衛が見舞いに来たと言ったのは、母親のことだったのかな、と思う。
「でも、此処に想いは残っていますよね」
首を絞めているのが、衛の母なら、彼女は、自分の滞在を快く思わないだろう、と思った。
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