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衛と結婚することがあづさが狙われた原因だったのなら、そのとき、いや、それまでに何事か起こるかもしれない。
「あづさの着る予定だったドレスはもうないから、お前、新しいのを作ってこい」
「そうですか。
偽の結婚式に用意するのは、なんかもったいないような。
まあ、ドレス残ってても着れないですけどね」
「なんでだ?」
いや、なんでだって。
「だって、あづささんが好きな人との式に着るつもりだったドレスでしょう?
袖を通すのは抵抗ありますよ」
何故か感情が籠ってしまったが、衛は鼻で嗤う。
その顔を見ながら、
「あの~、ほんとにあづささんのこと、好きだったんですよね?」
と訊いてしまっていた。
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