第1章

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奏(ススム)との2度目の夜。 オレの体は、なかなか開かなかった。 あの夜以来誰とも寝ていないから、まぁ当然といえば当然だ。 奏が時間と愛情とテクニック(彼の指先はとても器用に動く)とジェルをたっぷりとかけて、なんとかほぐしてくれて、ようやく一つになれた時には快楽よりも安堵が先にきた。 軽く笑い合って、触れるだけのキスをする。 オレの中にある奏を感じる。 「はぁ・・・・初めての、ときみたいだ」 限界まで押し広げられ、貫かれている。 正直キツい。 息が乱れる。 奏が心配そうな顔でそっとキスしてくれる。 「ごめん、キツいよな」 そういう奏もオレとは別の意味でキツそうで、その表情にオレはくらくらする。 愛している人に愛されることに。 オレはそろそろと首を左右に振り、ぎゅっと目を閉じる。 感じるのは、張りつめた痛み。 なのに、それが蕩けるほどに甘い。 「はっ・・・・キツい、のがイイ・・・・」 整わない息でそれだけを告げると、彼がふいに腰を揺らす。 しびれるような快感が脳天まで突き抜ける。 「っ・・・・」 いい・・・・声にならない。 なのに、彼は動くのをやめてしまう。 「ラリー、まだ―」 奏はやさしすぎる。 やさしすぎて、じれったい。 オレは目を開ける。 間近にあるのは、奏の快楽に濡れた漆黒の瞳。
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