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奏(ススム)との2度目の夜。
オレの体は、なかなか開かなかった。
あの夜以来誰とも寝ていないから、まぁ当然といえば当然だ。
奏が時間と愛情とテクニック(彼の指先はとても器用に動く)とジェルをたっぷりとかけて、なんとかほぐしてくれて、ようやく一つになれた時には快楽よりも安堵が先にきた。
軽く笑い合って、触れるだけのキスをする。
オレの中にある奏を感じる。
「はぁ・・・・初めての、ときみたいだ」
限界まで押し広げられ、貫かれている。
正直キツい。
息が乱れる。
奏が心配そうな顔でそっとキスしてくれる。
「ごめん、キツいよな」
そういう奏もオレとは別の意味でキツそうで、その表情にオレはくらくらする。
愛している人に愛されることに。
オレはそろそろと首を左右に振り、ぎゅっと目を閉じる。
感じるのは、張りつめた痛み。
なのに、それが蕩けるほどに甘い。
「はっ・・・・キツい、のがイイ・・・・」
整わない息でそれだけを告げると、彼がふいに腰を揺らす。
しびれるような快感が脳天まで突き抜ける。
「っ・・・・」
いい・・・・声にならない。
なのに、彼は動くのをやめてしまう。
「ラリー、まだ―」
奏はやさしすぎる。
やさしすぎて、じれったい。
オレは目を開ける。
間近にあるのは、奏の快楽に濡れた漆黒の瞳。
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