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「熱でもある?」
本気で心配する声。
額に手のひら。
首筋に手の甲。
「えっ?すごく冷たいんだけど」
そりゃあ外出してたからね。
なんだか笑えてくる。
「熱なんかない」
彼の腕の中で笑う。
あたたかくて、気持ちいい。
オレは前を向いたまま、肩に載っている奏の頭に自分の頭を軽くぶつける。
「奏はおもしろい」
「は?」
オレは顔を無理やり横に向けて、ちょっと間抜けな表情をしている奏を見る。
彼の目が見開かれる。
おそらく、オレが変な表情をしているからだ。
顔もまだ赤いだろうし、恥ずかしさも消えてない。
「おもしろくて、かわいいよ」
それだけ言って、鼻の頭を噛む。
「痛っ!」
オレは奏の腕からすり抜けて立ち上がる。
「朝食作るの手伝えよ。オレ、ナイフ使いたくないから」
キッチンへ戻ってまもなく、大急ぎで服を着たらしい奏が追いかけてきた。
テーブルのバゲットを見つける。
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