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「見るからに一年だよね?」 「はい」 「じゃあ、まだ部活決まってないんだよね?」 そう言われ正直に「決まってないっていうか、入らないつもりです」と応えた。それを聞いた新庄先輩は突然目を輝かせて、「それなら俺らの部に入ってよ!一年、誰もいなくてさあ」と興奮気味に言った。いきなりそんなこと言われても困るので、断ろうと口を開こうとした。 「ほら、尻もちつきそうになったとこを助けたんだしさあ。人助けのつもりで入ってよ」 ねっ、と言われてしまった。思わず「うっ」と唸った。少し考え、「わ、わかりました」と煮え切らない感じで応えた。 僕はまた校舎に逆転戻りして靴を履き替え、新庄先輩のあとを追う。歩き始めて、どの部活なのかまだ訊いてなかったので訊くことに―。 「先輩、何部なんですか?」 「ん?ああ、それは着いてからのお楽しみ!」 何やら楽しいそうに言うので、楽しい部活なんだろうなあ、と思いながら着いていく。 「着いた。ここだよ」 「ここって…空き教室ですか?」 「うん、そうだよ」 そのままドアを開けて入っていく。鍵が開いていたことに驚き固まっていると、先に入った新庄先輩に呼ばれた。
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