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いやな予感がする。
まさかと思い、恐る恐る尋ねた。
「もしかして、さっきの紙って…」
「そう!部活申請用紙。あとはこれを提出するだけ」
用紙をヒラヒラさせながら新庄先輩は言う。
「そんでもって、部を作るには最低でも三人は必要なんだよねえ」
もちろん顧問も頼んであるからばっちり、と笑顔で言われた。僕が愕然としてると、ゴンッと殴る音が聞こえた。ゆっくり首だけを動かし、音が聞こえた方を見ると新庄先輩が頭を抑え、しゃがみ込んでいた。殴った当の本人―黒崎先輩は、拳を握ったまま蔑んだ目で見下ろしている。
そして今に至る。僕は板挟み状態になっているわけだ。
早くここから抜け出したい。
「いきなり紙渡されて名前書かせられたかと思ったら、オカルト部を作るだあ?ふざけてんのか、てめえは」
しばくぞ、と言い拳をあげ、そのまま振り下ろそうとしている。
「イテテ…ふざけてないし、もうしばいてるから!それに黒崎のはマジ痛てぇから!」
握ったままの拳を指を指しながら「それ、下ろして?」と頼んだ。黒崎先輩は「ちっ」と舌打ちをした。今までの光景を見ていた僕は、ホッと胸をなで下ろした。
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