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ふと思い出したかのように新庄先輩が言う。
「そうそう、まだこいつのこと紹介してなかったな。黒崎優樹、俺と一緒で二年」
「そんなの見ればわかるだろ。お前は馬鹿か…いや、馬鹿だったな」
黒崎先輩に馬鹿呼ばわりされ、隅の方でいじけた。嵌められたが、このままじゃ先が進まない。いまだに不機嫌な黒崎先輩に恐る恐る声をかけた。
「あ、あの―」
「んあ?誰だ、お前?」
もの凄い形相で睨まれ、思わず肩が震えあがる。内心ビクビクしながら、まだ自分の名前も教えてなかったことに気づいた。
「あっ…し、白石景です。えっと、このままでいいんですか?活動内容とか…」
「はあ…入る気はなかったが、仕方ない。呼ぶか」
ため息を吐き、いまだ隅でいじけている新庄先輩を呼ぶ。
「おい、馬鹿。どういう部なのか説明しろ。俺とこいつがわからねえだろ」
「……うん、そうだね。説明するよ…」
ゆっくり立ちあがり、僕と黒崎先輩がいるところまで歩く。
明るかったりいじけたり変な人だな…。
僕は胸中で呟いた。
「オカルト部っていうのは、簡単に言うと人助けみたいな―」
『人助け』という単語にいち早く反応したのが、黒崎先輩だった。
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