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「なんで俺が人助けなんかしねえといけねえんだよ」
なぜ、そんなにいやなのか疑問だ。
「なんで黒崎先輩は、人助けがいやなんですか?」
「なんでかって?そんなの決まってんだろ」
黒崎先輩は一旦、言葉を区切った。
「他人を助けて何になる。意味がわからねえ」
本当にいやなのが顔を見れば一目でわかる。ついでに言うと眉間に皺が寄っているからだ。
「そんなにいやなんですか?」
「ああ、いやだね。相談と言っておきながら、どうでもいいことをベラベラ喋る奴や自慢する奴。あげていけばキリがねえ」
過去に何かあったのか、と思ったが喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。
しばらく沈黙が続き、誰も言葉を発することなく時間だけが過ぎていく。しかしこの空気に堪えきれなくなったため、何か話題になることを必死に探す。そこで、ふと思った。なぜ、オカルト部を作ろうと思ったのか―。
この沈黙の中で声を発するのは、いささか緊張する。でもそんなこと言ってられないので、意を決して口を開く。
「あの、新庄先輩」
「ん?何?」
「そもそも、なんでオカルト部を作ろうと思ったんですか?」
思ったままを口にした。
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