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のたうち回っている新庄先輩を見て、黒崎先輩はなぜかすっきりした表情をしている。 Sだ!ドSだ! 声には出さず、胸中で呟いた。 「いい加減、痛がってねえで用紙出してこいや」 だんだん見飽きてきたのか、早く出しに行くようにと促した。 なんて横暴なんだ。それとも新庄先輩がMなのか? ずっとその光景を見ていた僕は何も言わず、胸中で呟くしかなかった。 「わ、わかったよ。出してくるから、先に帰ってもいいよ」 まだ痛むスネを庇いながら、申請用紙を持って出ていった。新庄先輩が出ていったあと、することもないので途方に暮れていた。 少し悩み、帰ることにした。スクバを持ち、ドアの前まで行く。だが黒崎先輩が帰る気配がないので、首を傾げて訊いてみた。 「先輩、帰らないんですか?」 読んでいた小説から一旦目を離し、僕の方を向く。 「ん?ああ、まだな。それより、やることねえんなら帰ったらどうだ?あいつもそう言ってたんだしよ」 そう言ってまた小説に目を移し、続きを読み始めた。僕は何の小説を読んでいるのか気になった。タイトルを見ようにもブックカバーをしているため、見ることができない。
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