プロローグ

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「これから校内を案内する。二、三年は授業中なので静かに行動するように」 注意事項を簡単に言い、僕たち―生徒は教室を出た。廊下で名簿順に二列に並び、校内案内が始まった。高校と言っても中学と何ら変わりはない。ただ、校内が少し複雑になっているだけ。 疲れたなあ。 胸中で呟き、これからの授業で使うであろう教室の場所を覚えていく。程なくして大まかな案内が終わり、自分たちの教室に戻ってきた。最後の一人がドアを閉め、席に着いたのを見たあと、速水先生が教科書等を配り始めた。中学の教科書は大きかったが、高校の教科書はひと回りふた回り小さくなり、その分ページ数もあり分厚い。授業量が多いためだ。 「教科書行き届いたか?ページが抜けてるとこがないかチェックしろよ」 入学して早々、恒例の教科書チェック。パラパラっと教科書を捲り、抜けてないかチェックをした。各教科とこの量を全部調べるのはなかなか難しい。速水先生も「量が多いので、放課後までに受けつける」と言ってくれたおかげで、全部調べられそうだ。 「これから一人ずつ、自己紹介をしてもらう。窓側の一番端の人から―」 これも恒例の自己紹介が始まった。
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