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……気がついたら。
血溜まりの中に倒れていた。
あんなに痛かった腹が、
いまは何ともない。
恐る恐る体を起こしてみたが、
普通に動く。
……もしかして、
死んで幽霊になったとか?
そうも思ったが、
目の前に自分の死体が
転がっているとかもなく。
どうも、生きているようだ。
……夢だった、とか?
しかし、周りには血溜まり。
ナイフが刺さったはずの場所は、
服が確かに破れている。
しかし、
そこにあるはずの傷がどこにもない。
手で何度さわってみても、
つるつるすべすべ、傷跡すら、ない。
「……どういうことだ?」
首を捻りつつ、とりあえず俺は、
近くに止めてあった車で
自分の家へと帰った。
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