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立ち上がった事で目線が近くなったものの、170cmと少しの身長はやっぱり真壁に見下ろされるまま。
「……ぁんだよ。何か顔についてるか?」
「や、いや! 何でもない!」
「ひぃじりぃー!」
「ぅおあっ!」
「わぁ!」
腰に何かが激突し、聖は真壁もろとも転げた。
咄嗟に聖を抱き寄せ、全身で倒れ込む衝撃をくらった真壁の目に星が飛ぶ。
「お前、いってぇんだよバカミヤ!」
「そのあだ名言うなっつってんだろうがアホヒジリ!」
「何だそれ乗っかんなや語呂悪ぃんだよ!」
バカミヤもとい、神谷 悠紀(かみや ゆうき)は聖に突進した事に罪悪感もないのか踏ん反り返って威張っている。
「………ぃ」
ぎゃあぎゃあと言い争うふたりの下で、喉を締め上げられたような苦しげな声が漏れてきた。
何事かとふたり揃って視線を下げれば、聖の尻の下で真壁が潰れていた。
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