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「んんんんんーぎっ」
「聖」
「あ? ……おい、背中」
「え?」
講義が終わり、ぐっと伸びをしていた聖の傍にやってきたのは真壁。
いつもゴツめの身体を丸めて講義を受けている真壁は、終わった後も背中が丸まっている。
『タッパあんのに、もったいない』
そう言って聖は講義後に必ず真壁の背中を軽く叩く。
「あはは、ごめんごめん」
「や、俺が気になるだけだから別にいいけど。で、どした?」
「あ、うん。聖今日バイトでしょ? ご飯どうする?」
「あー……」
真壁の問いに、聖は口を閉ざして窓際で友人と話をしている神谷を見遣った。
まるで、神谷でなくどこか遠くを見るような眼差しで。
「……お前、本当は嫌なんじゃねぇの?」
「何が?」
真壁を見ることのないまま、独り言のようにボソリと呟く。
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