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部屋はオートロックらしく、扉を閉めるとガチャリと固い音がする。
そして部屋に入ったオレは感激のあまりピンクの布団カバーのベッドに真っ先にダイブした。
「スゴイ! ここがラブホなんだ。初体験ー!」
靴も脱がずにベッドに俯せで足をバタバタさせていると、大成がオレの隣に腰掛け「良かったね……」と頭を撫でる。
「大成、ちゃんと解ってるのか? ラブホは入って終わりじゃないんだぞ?」
肘で支えながら身体を起こすと大成がオレの頭を撫でる手を止め、ほんのり赤い頬で「解ってる……」と呟いた。
せっかくラブホに入ったんだ、楽しまなきゃ損だろ?
「なー、大成。利用時間ってどのくらいあんの?」
「フレックス制だから……使った分だけ……」
流石にお泊まりは無理だよな。
外出届けは出したけど『外泊』じゃないし。
「じゃ、時間が勿体無いな」
ベッドの上で身体を捩り、ピョンッと飛び降りる。
そのまま風呂場へ向かうとさすがラブホ、寮の部屋とは比べ物にならないくらいバスタブが大きい。
「大成! 風呂! 風呂が広い!」
興奮しながら風呂場から顔を出すと、大成もベッドから立ち上がり風呂場へ歩いて来た。
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