第1章

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「…………は、……………んん、ユズ……。」 俺の上に乗り、腰を動かし続ける下川。 下川とこういう関係になったのは、1ヶ月前。 ある日突然、下川の方から告られた。 何でも、バイト初日に俺に一目惚れして、それから半年黙っていたけど、我慢できなくなったとか。 俺が自分を受け入れてくれると思ってなかったから、想いを伝えて、バイトを辞めるつもりだったらしい。 俺はというと、今まで恋愛対象は女子だったのに、下川と出逢って一緒に仕事するようになって、なんか、気になっていた。 ゆっくり俺を見る視線の流し方とか。 食器類を滑らかに触る、指先とか。 コーヒーカップに付ける、口元とか。 見ているとドキドキして。 でも、そんな自分おかしいって。 そう思っていた矢先の、告白だった。 『俺も、下川の事、好きかも。ずっと気になってたんだ。』 俺が、そう言ったら。 下川は、今まで見たこともない、キレイな笑顔で微笑んで。 『生きてきた中で、今一番幸せだ。』 って、泣いた。
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