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私が宥めようとしても、秀臣の大袈裟な関係誇示はまだ終わらない。
「あー、そうだ。
梨帆、家まで送ってやるから好きなもの飲みな。
今から駅に向かったって、もう間に合わないだろ?」
「え……、あぁ……。」
いつの間にか、もう日付は変わっていた。
地下鉄は0時過ぎで終わり。
しかも、秀臣のコーヒーはついさっき差し出されたばかりだ。
「……ありがとう。」
タクシーで帰宅するつもりだったのに。
ここで断る方が不自然だと思い、私は秀臣の提案を受け入れた。
新たなドリンクは、気持ちを落ち着かせるために少し強いものを。
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