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ショートグラスに注がれたバラライカ。
その中身を一気に飲み干し、思わず深い溜め息を漏らした私。
―――全部リセットしたい……。
一体、どこで選択肢を間違ったのだろう。
負のスパイラルに巻き込まれ、どんどん私はドツボに嵌っていく。
できるなら真っ新な状態に戻りたい。
「そんな一気に飲んで大丈夫?」
すぐ隣から、コーヒーの香りと共に優しい声が聞こえてくる。
それと同じ方向から伸びてきた手は、肩甲骨を隠す私の長い髪に優しく触れた。
そのままゆっくりと、私の肩を何か温かいものがゆっくりと包み込む。
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