第3章

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今まで、よしみの父親も母親も 「世帯全員でないと入れない、自分一人では入れない」 「未加入だった間の分を、全部払わないといけない」 などと言って、入らなかった よしみ自身も、病院に行く事など無かったので『別にいいや』と、無関心だった しかし 実際に行って、聞いてみると 世帯主宛てに請求は来るが、一人でも入る事は出来るし さかのぼって払うのは、その年と、前2年分だった ただ 入るためには、以前の保険の失効日が必要で よしみは、父親の扶養に入っていたのが最後だったので、父親が定年まで勤めていた会社に、書類を書いて貰って来なければならなかった 数日後 「父ちゃんが、書いて貰って来た」 と、母親から書類を渡されたが 父親の名前と、自分の名前が、明らかに筆跡が違うのに気付いたよしみは、母親に聞いてみた すると 「父ちゃんが書いていた」 と、言う 「これじゃあダメじゃん」 そう言って、ため息をつくよしみに 母親は 「これが最後の手帳だと思うよ」 言いながら、探し出した手帳を差し出した とりあえず 手帳と書類の両方を持って、また役場に行ってみた
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