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今まで、よしみの父親も母親も
「世帯全員でないと入れない、自分一人では入れない」
「未加入だった間の分を、全部払わないといけない」
などと言って、入らなかった
よしみ自身も、病院に行く事など無かったので『別にいいや』と、無関心だった
しかし
実際に行って、聞いてみると
世帯主宛てに請求は来るが、一人でも入る事は出来るし
さかのぼって払うのは、その年と、前2年分だった
ただ
入るためには、以前の保険の失効日が必要で
よしみは、父親の扶養に入っていたのが最後だったので、父親が定年まで勤めていた会社に、書類を書いて貰って来なければならなかった
数日後
「父ちゃんが、書いて貰って来た」
と、母親から書類を渡されたが
父親の名前と、自分の名前が、明らかに筆跡が違うのに気付いたよしみは、母親に聞いてみた
すると
「父ちゃんが書いていた」
と、言う
「これじゃあダメじゃん」
そう言って、ため息をつくよしみに
母親は
「これが最後の手帳だと思うよ」
言いながら、探し出した手帳を差し出した
とりあえず
手帳と書類の両方を持って、また役場に行ってみた
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