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それは
いつもと同じ日常
よしみは、いつもと同じように、仕事に行くために車を走らせていた
いつもの渋滞ポイントで、今日も信号待ち
何かあったわけでは無いが
ふと
よしみは、自分の左胸に触った
すると、胸の上の方に米粒より小さな固まりがあった
そんな小さな固まりなのに、何故か服の上からでもハッキリと分かった
しかし
以前にも、それくらいのシコリが出来て、いつの間にか消えていた
なんて事が何度かあったので、今度も
『どうせすぐに無くなるだろう』
と、よしみはあまり気にしなかった
ところが
数ヶ月経ってもシコリは消えることはなかった
無くなるどころかみるみる大きくなっていき
1年も経たないうちに500円玉ぐらい大きさになってしまった
『悪性』
そんな言葉が、よしみの頭をよぎったが
治療となると、時間も、お金も、かかる
その上、保険に入ってなかったよしみは
『ものすごいお金が、かかるだろう』
と、考えた
何よりも、自分が『ガンだ』なんて知るのが怖かったのだ
固まりは、500円玉ぐらいまでは、勢いよく大きくなったが、そこからは大きくなる気配が無かったので
『大丈夫だろう』
と、その言葉を無理やり頭の隅に追いやった
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