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初めてシコリを見つけた時から、数年の時が経った
母親も、家事を少しづつ自分でやるようになったが、まだ1人では買い物にも行かない
その年の春
ずっと変化の無かったシコリが、デコボコした感じになってきてるのによしみは、気付いた
しかし
仕事の休みは、ほとんど無く、仕事以外の時間は、母親の運転手役で疲れきっていたよしみは
『病院に行く時間あったら、寝ていたい』
それが正直な気持ちだった
夏頃には、胸のシコリが増えてきて
脇の下にもシコリが出来た
『これは、もう間違いないだろう』
そう確信したよしみだが、まだ病院に行くのを迷っていた
『このまま病院に行かずに、死ぬまで黙っていようか』
そんな事も考えていたが
忙しい仕事と、母親の面倒に追われているうちに
仕事からも、母親からも『逃げたい』
病気になれば、そんな日々から解放される
『私が病気になれば、母も自分の事は、自分でやる気になるかも』
『仕事を続ける事が出来なくなるかも』
そう考えてしまうほど、よしみは疲れ果てていた
そして
仕事の休みと、母親の病院に行く日がたまたま重なったので
『ついでにちょっと診てもらう』
くらいの気楽な気持ちで病院に行く事にした
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