第1章

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この時点でも、まだ危機感は無かった まだ 『悪性ではないかもしれない』 そんなかすかな希望を持っていたのだ それでも 『逃げたい』 そんな不純で強い思いが勝った よしみ 37歳 夏の終わりであった
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