第2章

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翌朝、よしみは病院に行った 診察が始まる時間になると、本当にすぐに そして一番に呼ばれた 診察室の中に入ると、すでに用意がされていて 昨日の先生より、若い先生が居た どうやら昨日の先生の息子さんらしい 早速、服を脱いで横になるように言われ よしみは、いそいそと準備をした 超音波を当てて、診察をした先生は 「癌に間違いないだろう」 ハッキリとよしみに告げた 「肉腫なら、こんなに大きく、ゴツゴツした感じにはならない」 と、説明した 「どうして今まで病院にかからなかったのか?」 なんて聞かれたが 『保険が無くて、お金掛かるだろうし、痛くないから大丈夫と、ごまかしていた』なんて事は言えないよしみは 「忙しくて…」 と、ごまかした 最近は、忙しくて病院に行く時間が無かったのは、本当なんだけどね 「このまま治療せずにいたら、あと3年だろう」 そう言われても 痛くも、痒くもないよしみには、何だか他人の話しを聞いているようだった あと3年… って事は、40歳 『自分の人生は、40年だろう』 なぜか、以前から思っていたよしみには、そっちの方が驚きであった 『私って、スゴイ!』 なんて事を、コッソリと考えていた
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