3人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝、よしみは病院に行った
診察が始まる時間になると、本当にすぐに
そして一番に呼ばれた
診察室の中に入ると、すでに用意がされていて
昨日の先生より、若い先生が居た
どうやら昨日の先生の息子さんらしい
早速、服を脱いで横になるように言われ
よしみは、いそいそと準備をした
超音波を当てて、診察をした先生は
「癌に間違いないだろう」
ハッキリとよしみに告げた
「肉腫なら、こんなに大きく、ゴツゴツした感じにはならない」
と、説明した
「どうして今まで病院にかからなかったのか?」
なんて聞かれたが
『保険が無くて、お金掛かるだろうし、痛くないから大丈夫と、ごまかしていた』なんて事は言えないよしみは
「忙しくて…」
と、ごまかした
最近は、忙しくて病院に行く時間が無かったのは、本当なんだけどね
「このまま治療せずにいたら、あと3年だろう」
そう言われても
痛くも、痒くもないよしみには、何だか他人の話しを聞いているようだった
あと3年…
って事は、40歳
『自分の人生は、40年だろう』
なぜか、以前から思っていたよしみには、そっちの方が驚きであった
『私って、スゴイ!』
なんて事を、コッソリと考えていた
最初のコメントを投稿しよう!