補食者

一の話 上位種

『てことは近所にオーガがいるってことだよな？え、やばくねそれ』

『割と笑い事じゃないよなこれ』

『最近多いし、なんか組織的なもんか？』

『だとしたらこれからも増えてくのか捕食事件』

『夜とか出かけられねーよ……』

『家にいても安全とは限らないんじゃないのこれ、あいつら怪力らしいし』

『ほとんど運なのか、喰われるとしたら』

家にいても安全とは限らない。
書き込みの通り、あいつらがその気になれば玄関扉くらい簡単に突破できるのだろう、人間だって出来るのだから。

差し込む夕暮れの日差しが影をはらみながら足下から引いて行き、夜の訪れを示す。

途端に怖くなり、玄関を閉め直し全ての窓をロックしてカーテンを下ろす。