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「ねー、ここのトリックちょっと甘いんじゃないですか?」
「あ、やっぱりそう思います?実はこういう案もあるんですけど…」
勝手知ってる先生の部屋のキッチンで2人分のコーヒーを淹れながら、今回の話の最終部分について熟考
…本当はそんな話は作品に取り掛かる前にするもんなんだけどね
まあ仕事にトラブルはつきもの!ってことで。
「うんうん、これなら筋も通ってるし話も面白いしオッケー!
ってことで早く書いてください!」
「はいっ!」
わたわたとパソコンに向かい
カチャカチャとキーボードの音が室内を満たす
時折止まるその音と、熱いコーヒーを啜る先生の深いため息
最初こそ気になって自分の仕事に身が入らなかったものだが、今ではそれが良い音楽となってプリントアウトされた小説に赤い線が引かれていく
―――
「如月さぁあん!終わりました!」
「よっしゃ!じゃあコレ直して!」
「はい!」
作業開始から2時間
元々話の筋は出来ていたのだから、そんなに時間のかかることでもない
私は手元の校閲済みの小説を渡して、逆に新しくプリントアウトされたものを受け取った
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